制作っていうのは、スケジュールやお金の管理ですよって割り切られてしまうことが多いんですけれども……実はうちの会社って、私が今、回している『トップをねらえ2!』という作品が動きだすまで、制作現場そのものはなかったんですよ。 全部を外の会社に「お願いしまーす」って出していたんですね。で、そこに「制作現場を作りましょう!」と。その、“ないところにひとつのものをつくっていく”っていうのは、やっぱりクリエイターの楽しみだと思うんです。 私自身は今はもう、それが楽しくってしょうがないという感じですね。 ―そうやって楽しさは個々見つけるべきだし、見つけられないと…… 続かない、ということですね。 そして、“楽しい”と思うことと、“好き”と思うことに関しては、なるべく発言をする。そして、発言をしたことに対しては、自分で責任を取る。そういうことをちゃんと続けていければいいんじゃないかと思いますね。 うちの会社は割と現場を重視してくれる会社ですから、「こういうのがいい」「ああいうのがいい」……好きなように言っていただいても、その意見を反映したものが何かしらご提供できると思うんですよ。 ―「ここにだけは楽しみを感じられちゃ困る!」みたいなものは、あるんでしょうか。 うーん……と(笑)。アニメーターさんに関して言うと、フィルムを創る立場で、彼らの頑張りがフィルムに大きく影響するんです。けれどもその一面、単純に言うと“素材の提供者”だという部分が、あるんですよ。で、その素材を、なるべくいい物にしようっていう努力は“買い”なんですけれども、単純に「これをより良い物にすれば、後はどうとでもなる」っていう引っ張り方は困りますね。「質が高ければ、どうやっても売れるでしょう?」というわけではないので。 確かにそれは一理あるんですけれども、発売が遅れるっていうことは、イコールお店を押さえた時期がずれてしまうことなので、お店に置いてもらえる本数が変わってしまう。ということは、やっぱり売れなくなる。そういう現状はあるわけです。 だから、こだわりたいっていうところとスケジュールのせめぎ合いで、こだわりたいっていう方だけを採られてしまうと、キツいかなぁ……っていうことは、ありますね。 売れることで強くなることって、たくさんあるんですよね。作品の大きい小さいっていうのは、あんまり私は気にしたくはないんですけども、それでもやっぱり、売れることによって、影響力は変わるんです。それが現状としてある以上、一本でも多く売れた方がいいと思うし、たとえ売れなくても、見てくれる人は多い方が確実にいいと思うんですね。 クリエイターさんに”売る”ことだけを考えられてしまっても、困るなぁとは思うんですけれど(笑)、その点は少しは念頭においていただきたい、と思っていますね。
―「みんな」ということばには、割と曖昧な性格がありますが。